どんなコップで飲んだらいいか、疑問に思うことはありませんか。お酒のような嗜好品を飲むときには、いっそうおいしい飲み方をしたいと思う方も多いでしょう。
近年人気が伸びてきている日本酒にはどんなコップ?とふと疑問になることもあるのではないでしょうか。
お酒を嗜む文化が浸透している日本では酒器に対するこだわりがはるか昔からありました。世界的にもお酒を飲むときには非常に大きなこだわりがある口が多く、食文化の中に溶け込んでいます。 趣味としてお酒を楽しむ方はどんなコップで飲むかをシーンによって使い分けていることもあります。
コップの違いによって何かが変わるのでしょうか。
この記事では日本酒にはどんなコップがいいのかをわかりやすく解説します。シーン別のおすすめも大公開するので、コップ選びで悩んだ際にはぜひ参考にしてください。
日本酒を飲むならどんなコップ?
酒器にこだわる人が増えているのを知り、日本酒ならどんなコップ?という疑問を持つ方も多くなりました。結論としては、どんなコップでも日本酒は楽しめます。おいしい日本酒はどんなコップで飲んでもおいしいからです。
ただ、これでは今回の話題の答えになっていないでしょう。酒器の違いによって日本酒が変わるからこそ、酒器にこだわる文化も生まれてきました。どんなコップを選んだかによって何が変わるのでしょうか。
コップによって日本酒が変わる?
どのようなコップを選んだとしても日本酒そのものは変化しません。日本酒を変えているのではなく、私たちの感じ方が酒器によって変わっています。人の感性はとても繊細なもので、ほんの少しのことで感じ方が大きく変化します。
ワイングラスは香りを閉じ込めるために口のすぼまった形にしています。ウイスキーのテイスティンググラスも同様で、このようなコップにすると香りを感じやすくなるのが特徴です。
錫製のコップで飲むと日本酒の温度が瞬時に伝わってきます。陶磁器のコップでは逆に温度がなかなか伝わってこないでしょう。これによって清涼感や温もりの感じ方に違いが生まれます。
このようにさまざまな点で日本酒の感じ方が変わります。特に大きな変化をもたらすのが以下の3つのポイントです。
日本酒の感じ方が変わるポイント
・コップの形状
・コップの素材
・コップのデザイン
コップの形状
日本酒の香りについて例で紹介したように、コップの形状は日本酒の味わいを変化させるポイントです。
口がすぼまっていると香りが内部にこもりやすいので、吟醸香やフルーティーな香りがより強く感じられます。熟成酒の独特のひね香もはっきりと感じ取れるでしょう。
しかし、人の感性は繊細なもので香りが強いと味覚に影響があります。甘い香りがすると自然に甘みを感じたという経験はないでしょうか。
味覚と嗅覚は強くつながっているので、香りは味にも影響します。味を大切にしたいときには香りが出ていくように口が広がっていて、ラッパ状になっているコップが良いと考えられるでしょう。
間を取りたいときにはストレートな形状のコップがいいかもしれませんね。
錫の例を挙げたように、コップの素材は日本酒の感じ方を大きく左右します。日本酒を飲むときにはプラスチックのコップを使う方はあまりいないでしょう。
陶器や陶磁器、錫器が日本では伝統的に主流でした。ガラスが入ってきてからはグラスで日本酒を飲む文化も生まれてきています。
熱伝導率の高い錫やステンレスは日本酒の温度を肌で感じられるので、指先で期待している温度のお酒が体に入ってくるのを実感できるでしょう。しかし、陶器やガラスの場合には熱伝導率が低いのが特徴です。
お酒を注いですぐに飲むと指先で感じる温度と飲む温度にギャップがあります。期待外れと捉えずに、ギャップによる刺激を楽しむのに適しているでしょう。
コップの素材は温度に影響するだけでなく、唇に触れたときの感触や、手に持ったときの質感も変えます。感触や質感は飲み手の感性に訴えかけて、日本酒の感じ方を変化させる力を秘めています。
ガラスや研磨した錫やステンレスの場合には滑らかな感触で、スッキリとした印象を与える力があるのが特徴です。陶器のようにざらついた素材の場合にはどっしりとした感じを受けて落ち着きが生まれます。
ずっしりとした質感のあるコップで飲むと存在感を感じるのではないでしょうか。逆に軽いコップだとさっと中身を飲んでしまうことがよくあります。
このような質感の違いも素材によって生まれる部分が大きいので、コップ選びのときには重要なポイントです。
コップのデザイン
コップのデザインも日本酒を変える可能性があるポイントです。デザインによる視覚的な刺激を生かす方法は、ビジネスでも活用されているくらいによく知られるようになりました。
例えば、透明なコップ、赤く染められたコップ、淡い青色のラインが入った透明なコップ、金属光沢のある錫製のコップが並んでいたときにどう思うでしょうか。同じ日本酒が入っていたとしても受ける印象がまったく違う方が多いでしょう。
透明なコップでは日本酒本来の色合いを身近に感じられます。淡い青色のラインが入ったデザインでは清涼感を感じられるのではないでしょうか。
しかし、赤く染められたコップでは日本酒の色もよくわからず、あまり楽しめないという漠然としたイメージを持つかもしれません。
金属光沢があってきらびやかな錫製のコップで飲むと日本酒が照り映えて見えるので高級感を感じられます。
このような印象によって日本酒の感じ方も変わります。シーンに応じたデザインのコップを選ぶことで、より満足のひとときを過ごすことができるでしょう。
日本酒で人気があるのはどんなコップ?
日本酒がコップによって変わることがわかっても、どんなコップがあるのかがわからない方もいるでしょう。
ここでは人気がある定番の酒器をまとめました。それぞれの特徴を簡単に紹介していきます。
お猪口
お猪口は日本で古くから日本酒を飲むのに使われてきた酒器です。ちょこっとだけ飲めるのが特徴で、陶器や陶磁器のものが主流になっています。
蛇の目の模様があるという印象を持っている方もいるでしょう。注いだらすぐに飲みきれるので、日本酒の本来の味わいを感じやすい酒器です。
ぐい吞み
ぐい吞みはグイグイ飲めるという意味で名付けられたとされる日本の伝統的な酒器です。陶器や陶磁器が主流でしたが、最近ではガラスや錫のぐい吞みも増えてきています。
形状はストレート型が多く、香りと味のバランス派の方に向いているでしょう。いろいろなシーンで使えることに加え、素材の違いも楽しめる魅力的な酒器です。
盃
盃は平たい器なのでコップとはあまりイメージが重ならないかもしれません。しかし、お屠蘇を飲むときを代表として、今でも特別なシーンで日本酒に使われています。
盃はとにかく香りを逃がすようにしているので、お酒の本来の味を感じやすいのが魅力です。香りが強すぎて閉口したときにも盃ならおいしく飲める可能性があります。
升
升は日本でよく使われていた酒器で、今でも結婚式やお正月などに使用されることがあります。木製の升が一般的で、木の香りとのハーモニーを楽しめるのが醍醐味です。
エテナの升次郎はしっかりとした質感を持つ酒器で、お祝いのシーンなどで日本酒の感じ方をワンランクアップさせるのに適しています。
大吟醸グラス
大吟醸グラスは吟醸系の日本酒を楽しむために作られたグラスです。吟醸香が立つようにデザインされているのがメリットで、香り高い日本酒を楽しみたいときに向いています。
口をすぼめた後に広げる形の加工をしているため、グラスを傾けると香りが湧き出てくるのが魅力です。
ワイングラス
ワイングラスは日本酒の香りを楽しむのに適しているグラスです。ワイングラスでおいしい日本酒の開発も人気になっていて、アワード受賞をしたお酒もたくさんあります。
ワイングラスにも種類がたくさんありますが、香りが逃げにくいのでいつまでも香りを楽しみながらゆっくりを日本酒を飲めるのが特徴です。
ショットグラス
ショットグラスは日本酒のぐい吞みの代わりにもできるスタンダードな酒器です。本来はジンやテキーラなどのアルコール度数が高いお酒を飲むのに使われますが、日本酒も結構強いので適していると言えます。
ショットグラスはほぼストレートな形状なので日本酒の味と香りをバランスよく感じられるでしょう。
シーン別!どんなコップで日本酒を飲む?
日本酒をどんなコップで飲むか悩んだときには、シーンに合わせてベストチョイスをするのがおすすめです。
個々ではどのような気分で日本酒を飲みたいか、どんなタイプの日本酒を飲むかによってシーン別におすすめをまとめました。よくあるシーンに合わせてコップを揃えておいて、どんなときでも大満足のひとときを過ごせるようにしましょう。
日本酒の香りを楽しみたい
日本酒は香りの高さが好きだと思う方も多いのではないでしょうか。
吟醸香だけでなく、ナシやバナナなどのさまざまなフルーツを思わせる香りが高らかに感じられる日本酒はたくさんあります。熟成香や米本来の香りがやめられないと言う方もいるはずです。
日本酒の香りを楽しみたい方には引き立て役になる酒器を使うのがおすすめです。香りを増幅させられる大吟醸グラスやワイングラスは華やかな香りを楽しむのにうってつけでしょう。
高らかな雰囲気の芳香はさっと抜けていってしまうので、口のすぼまっているコップが適しています。
一方、熟成香や米の香りはフルーティーな香りに比べると重みがあって中にとどまりやすいのが特徴です。ぐい吞みやショットグラスならゆっくりと香りを堪能できます。
熱燗で一杯やって心の底から温まりたい
日本酒は熱燗で温まりたいという方もいるでしょう。冬になると寒いから熱燗という方もいますが、季節を問わずに心の底から温まるのにはやはり燗酒が良いと言う方ももちろんいます。
熱燗に限らず、ぬる燗や飛び切り燗で温まりたい方もいるでしょう。
燗酒にはお猪口やショットグラスが向いています。燗を付けて好みの温度で日本酒を飲むには、一口か二口くらいで飲み切れる量を注ぐのが良いからです。
お猪口は陶器、ショットグラスはガラスが多いので、すぐに飲めばあまり冷めずに済みます。エテナのショットグラスも比熱が低い錫を使っていて冷めにくいのでおすすめです。
ひんやりとした冷酒をゆっくり味わいたい
冷酒のひんやりとした爽やかさや、日本酒の落ち着いた香りや清涼感を楽しみたい方も多いでしょう。一日の終わりにはゆっくりと冷酒を味わいたいというシーンもよくあります。
冷酒にはぐい吞みがおすすめです。ぐい吞みはストレート型なので冷酒の香りも味も楽しめます。一口で飲み干せるほどの量ではないので、だんだんと温度が上がって冷やに近くなってきた日本酒の香りの良さや味の変化を感じられるのが魅力です。
サイズのバリエーションも豊かなので、飲む量に合わせて選ぶといっそう満足できるでしょう。
また、熟成古酒のような重厚感のあるお酒や原酒のように濃い酒のときにはロックで飲むのも良いでしょう。ロックグラスで飲むといつまでも冷たい日本酒を味わえます。
まとめ
どんなコップで日本酒を飲んだらいいかがイメージできてきたでしょうか。この記事では日本酒で人気のコップとシーン別のおすすめを紹介してきました。
お猪口やぐい吞みのような伝統的な酒器も魅力がありますが、ワイングラスやショットグラス、ロックグラスなどもシーンによってはメリットがあることがわかったでしょう。
日本酒は何で飲むかによって繊細な変化があるのが特徴です。この特徴を特長としていくにはどのコップを使うかをシーン別に考えてきめることが大切でしょう。
鏡面仕上げの錫器としてユニークな性質を持つエテナも日本酒に合います。どんなコップが良いか悩んでいる方は、ぜひどのようなシーンで飲むかを考えてエテナのラインナップをご覧いただければと思います。
冷酒セットやショットグラス、ロックグラスなどのラインナップがありますので、シーンに応じて魅力のある酒器を手に入れて試してみてください。