エテナと升次郎を支える職人①

2021.9.30
特集

エテナ・升次郎の製作は大きく分けると3工程となります。

今回ご紹介する工程は「鋳造」です。

伝統工芸士が手掛ける「鋳造」

伝統工芸士が手掛ける「鋳造」

エテナ・升次郎の一番最初の工程が「鋳造」となります。

鋳造とは、湯と呼ばれる溶かした金属を鋳型に流し込み、製品を成型する方法のことをいいます。

鋳型には様々な種類があり、300年の歴史がある京錫、浪速錫、薩摩錫などの錫器は主に砂型・ゴム型を使用して鋳造を行います。

しかし、エテナ・升次郎の特徴の光沢がある表面を実現するためには、金型と呼ばれる金属で製作した鋳型を使用する必要があります。

金型を使用することにより、製品の表面はなめらかとなり、鏡面仕上げを行う前でも光沢のある製品が仕上がります。

鋳造後の製品

「鋳造」の工程は、この道57年、伝統工芸士の熊倉 喜二が担います。

250度まで熱した炉の中の湯を、一つ一つ手作業で金型に流し込み冷やすことで製品が出来上がります。

一見簡単そうに見える鋳造の工程ですが、実は、ただ金型に湯を流し込むだけでは均一に湯が行き渡らず、形の悪い製品が出来上がってしまいます。

また、冷やす時間が短くても長くても品質の悪い製品となってしまいます。

気温の変化などで生じる個体差を見た目・手の感覚といった長年の経験で見極め、高品質な製品に仕上げていきます。