錫の特性・錫器の特徴

錫(すず)とは

錫は鉄、銅、銀、金などと並んで太古から祭器や食器などに活用されてきた金属です。

貴金属と同様に希少性が高い素材で、日本に錫器が到来した奈良時代には貴族が特権階級として錫器を使用していました。

錫は純度が高いと手でも曲げられるくらいの独特の軟らかさを持っているのが特徴で、その軟らかさに由来する錫の触り心地は控えめで優しく、肌で感じられるぬくもりを帯びていて金銀にはない包容力があります。

錫器の特徴

錫器は光沢のある金属ならではの重厚さと美しく輝く上品さを兼ね備えており、銅などのメッキにも重宝されるほど錆びにくい性質があるので、錫器は一生を共にしたい愛用品として人気があります。

また、錫器には食べ物や飲み物の色合いを引き立たせる力があることから、酒器や茶器を代表とする食器として広く活用されてきました。

古来、錫には水を浄化する作用があると考えられており、お茶やお酒だけでなく水でさえ、錫器で飲むとおいしいとよく言われています。